耳栓の選び方

色々ある耳栓の種類 どれが一番最適?【スポンジ・カナル型・シリコン・イアーマフ等】

騒音が気になるときや、集中したい時、耳栓を使うのはとてもいい手段です。
眩しい時にサングラスを掛けたり、肌寒いときに1枚羽織ったりするのと同じように、音を制限することで快適な空間を作り出すことが出来ます。

しかし、一言で『耳栓を使う』と言っても、いろいろな種類の耳栓があるのはご存知でしょうか?
この記事では、各耳栓の種類と、メリット・デメリットについて解説いたします。

スポンジ型

一番メジャーで、安価に手に入る耳栓が『スポンジ型』の耳栓です。『ウレタン型』や『フォーム型』耳栓ということもあります。
基本的に『使い捨て』として販売されていますが、数回程度使用しても問題は起きにくいです。
ただし、あまりに長期的に使ってしまった場合は、衛生的な問題が生じることもありますので、程々の使用回数にとどめましょう。

使用する際は、最初に細くして耳に入りやすいようにします。
耳にいれると自然に膨らんでくるので、隙間がなくなり音を遮断する……という仕組みです。

スポンジ型耳栓のメリット

  • 安価で手に入りやすい。コンビニ等で入手できることもある。
  • どんな耳の形にも合いやすい。
  • 柔らかく小さいので、横向きに寝ても圧迫感が少ない。

スポンジ型耳栓のデメリット

  • 長期的な使用には不向き。なので1セット単位で買うと実はコスパが悪い。
  • 程々の遮音・吸音はできるが、他のタイプの耳栓に比べると効果は劣る。

カナル型耳栓

使い捨てでないタイプの耳栓で、一番メジャーなのがカナル型の耳栓です。
カナル型イヤフォンから、スピーカー部分を取ったような形になります。大抵はプラスチックとシリコン等で構成されていることが多いです。

スポンジ型より硬いので、イヤーピースを自分にあった形のものに変える必要があります。
その分、スポンジ型より遮音性は高くなります。

カナル型耳栓のメリット

  • スポンジ型より密閉度が高いので、遮音性も良し
  • 使い捨てではないので、長期的に見るとコスパがいい。

カナル型耳栓のデメリット

  • 1個あたりの単価は高いので、『今日1日だけ必要』といった際にはコスパが悪い。
  • 硬いので、『寝ながら使える』ことを売りにしている製品以外は、基本的に寝にくい。外耳道(耳の穴)を傷つけることも。
  • 繰り返し利用するため、衛生面に気をつけなければ外耳炎になることもありえる。

シリコン・ワックス耳栓

カナル型の耳栓もシリコンで出来ていましたが、こちらは形状を変更できる耳栓です。
そこまで日本ではメジャーでないため、使ったことのある人のほうが稀でしょう。

使い方としては、粘土のようなシリコンがケースに入っているので、これを自分の耳の形に合わせ変形させて使います。
シリコンの他、ワックスで出来たものもあります。

シリコン型耳栓のメリット

  • どんな耳の形でもしっかりと塞ぐことが出来る。
  • 他の耳栓と違い、水泳時等、耳に水が入ることを防ぐことが出来る。
  • 耳からはみ出さないため、寝ながら使用しても圧迫感を感じない。

シリコン型耳栓のデメリット

  • 小さくして使うことが出来るが、あまりに小さくして使ってしまうと、耳に入り込んでしまい耳鼻科のお世話になる可能性も有り。
  • 数回使うことが出来るが、定期的に洗浄しなければ衛生的な問題が生じ得る。
  • 子ども・ペット等がいる場合、お菓子のように見えて誤飲リスクが有るため十分に注意が必要。

ワックス+脱脂綿の耳栓


主にヨーロッパ等で使用されており、ドイツの『Ohropax』等が有名です。
脱脂綿の中にシリコンが入っており、使用時には変形させて使います。

Ohropaxはワセリンとパラフィンワックス、そして脱脂綿で出来ています。脱脂綿がなく、ワセリンとパラフィンワックスのみで構成された耳栓もあります。

ワックス型耳栓のメリット

  • シリコン型と同じく、どんな耳の形でもしっかりと防ぐことが出来る。
  • 肌に優しい素材で作られており、つけ心地は他の耳栓に比べても随一。見た目も悪くならない。

ワックス型耳栓のデメリット

  • 耳栓が付着する上に洗浄ができないため、基本的に使い捨てが推奨されている。(よってコストが高い)
  • シリコン型と同様、子どもやペットによる誤飲リスクがある。

ノイズキャンセリングイヤフォン・ヘッドフォン

こちらは『耳栓』とは少し違いますが、耳栓代わりに使うこともできるのでご紹介します。

ノイズキャンセリングイヤフォン・ヘッドフォンは、非常に優れた遮音を行うことが出来る機器です。
外部の音を検知するマイクを内蔵しており、耳栓のように音を遮断するだけでなく、逆位相の音波を発することで騒音を低減することが出来ます。

使ったことのない方は知らないかもしれませんが、何も再生しない状態で、遮音だけ使うことも可能です。とにかく静かな空間で集中したい場合は、すばらしい選択肢です。

ノイズキャンセリングイヤフォン・ヘッドフォンのメリット

  • アクティブな騒音低減ができるので、シチュエーションが合うなら最良の選択肢。

ノイズキャンセリングイヤフォン・ヘッドフォンのデメリット

  • 他の耳栓に比べてもダントツにコストが高い。特にノイズキャンセリング性能高めの機器が欲しい場合は、3万円以上の出費を覚悟する必要がある。(無くした・壊したときのダメージも大きい)
  • ノイキャン時にはマイクとスピーカーが常に稼働しているため、音楽を再生しなくても定期的に充電が必要。またイヤフォンの場合は、バッテリーの問題により数時間しか利用できないこともある。
  • イヤフォン・ヘッドフォンの部類のため、社則等により使用が禁じられるケースもある。

イヤーマフ

これも『耳栓』には該当しませんが、遮音器具の一種なのでご紹介します。
耳栓が『日常的な騒音』を防ぐためのものなら、イヤーマフは『工事現場や銃声等、耳に障害を及ぼす程の騒音』を防ぐための器具です。

遮音性能(NRR)値自体は、実を言えばそこまで変わらないのですが、工事現場で鳴り響く低温等の遮断は、耳栓よりもイヤーマフのほうが適しています。
その特性を活用し、聴覚過敏の方が使うこともあります。

イヤーマフのメリット

  • 低音や、人の話声等、耳栓では遮断しにくい音もしっかり遮断することが出来る
  • 正しく装着しなければ遮音しない耳栓と違い、サイズがあっていれば概ね適切に遮音ができる。
  • 繰り返し使ったり、他人に貸し出す際、衛生上の問題が起きにくい。
  • 耳栓やイヤフォンと併用することもできる。

イヤーマフのデメリット

  • 一般的な耳栓に比べると重たく、コストが高い。
  • 帽子やメガネ等と併用しにくい。特にメガネの上から付けた場合、遮音性が犠牲になることもある。

いろいろな耳栓を試してみよう

ここまでいろいろな耳栓のメリット・デメリットをご紹介してきましたが、実際の使用感や相性は使ってみなければわからない部分もあります。
実際に使ってみて初めて『こんなに良かったんだ』と気づく商品に出会えるかもしれません。
あなたにピッタリのものが見つかるまで、いろんな耳栓を試してみてください。

安藤 隆史

耳栓愛好家 聴覚過敏持ちのため、冷蔵庫の駆動音ですら気になる時もあるが、耳栓によって集中力を保つことが出来ている。 ※当サイト内に書かれているレビュー・感想は、全て実際に使用した見た感想となります。
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