OHROPAX(オロパックス)クラシック ドイツ生まれの耳栓は肌触りが最高(耳栓レビュー)
『耳栓』と聞いたときに多くの人が想像するのは、スポンジでできた筒状の物か、もしくはカナル型イヤフォンの先っぽのような形状の耳栓でしょう。
しかし世界には違う形の耳栓があります。
今回は、ドイツで古くから親しまれている耳栓『OHROPAXクラシック』をご紹介します。
OHROPAXクラシック データ
- 素材:ワセリン・パラフィンワックス・コットンウール
- SNR(遮音性能):23
- 1000Hzの平均減衰率:30.2
- 用途:リラックス・読書・集中力を要する作業・DIY活動・ライブ等
OHROPAXクラシックの使い方
OHROPAXクラシックは、このようなケースに入っています。
小さなケースですが、一つの缶には12個のふわふわした耳栓がぎゅうぎゅうに収まっています。
しかし脱脂綿なので簡単に取ることが可能です。
何も知らないとこのまま耳にいれたくなるところですが、この脱脂綿はいわば『緩衝材』です。
ふわふわした部分は指で取ってしまってください。
するととても肌触りの良いボールができます。
そのまま少しこねて柔らかくしてください。
筒状にする必要はありません。
ボールのまま耳に当てて、外側の部分を広げます。入口がすべて塞がれば、しっかり音を遮断してくれます。
(耳に押し込む必要はありません)
OHROPAXクラシックを使った感想
最初は使い方や装着方法に少し手間取るかもしれません。
脱脂綿を取る手法や、耳の穴をどう塞ぐかといった点を考えると、他の耳栓よりは装着何度が高めです。
しかし肌触りの面では、他のどの耳栓よりも上を行きます。
耳に押し込む必要がなく、更にベタベタもしていないため、不快感がありません。
他の耳栓に比べると、やや遮音性は劣ります。(1000Hzで25.7dbの減音)
なので完璧な防音を望まれる方にはむかないかもしれませんが、聞こえる音をすこしだけ軽減したい・些細な音で睡眠が浅くなるのを防ぎたい……というケースでは、真価を発揮します。
100年以上愛されたOHROPAXの歴史
OHROPAX社の歴史は古く、ドイツにて1907年に創業しました。
ドイツでは耳栓と言えばOhropaxがイメージされるぐらい、有名なブランドです。(ハンドクリームといえばニベア…と同じぐらい有名なようです)
1900年ごろ、ドイツでは工業化が進んでいましたが、同時に騒音が激しく、ベルリンでも睡眠が問題になっていました。
そこで薬剤師であり薬学者であったマクシミリアン・ネグウェル氏が耳栓の開発に取り組んだのです。
最初は難航し、『粘着性の塊が、寝ている人の耳の中で溶けて大変なことになった』こともあるようですが、最終的には綿とワセリンを作ったワックスという『Ohropaxクラシック』の形に落ち着きました。
ちなみに『Ohropax』のOhrはドイツ語で”耳”、paxは”平和”を意味しているため『耳の平和』という意味合いがあります。
第一次世界大戦が迫ると、前線への行軍荷物の中に耳栓を入れておくことが推奨されました。
特に砲兵と潜水艦の船員は、この耳栓のおかげで聴力を失うことが避けられたそうです。
現在Ohropax社は、スポンジ型の耳栓や医療用シリコン製の耳栓も提供していますが、それでも60%以上の売上を『Ohropaxクラシック』が出しています。
Ohropaxクラシックはこんなケースで使えます
もともと工業地帯での睡眠確保のためにつくられた耳栓なので、睡眠時に大変使いやすいです。
横向きに寝ても決して邪魔にならず、湿気も少し付着している脱脂綿が吸い取ってくれるため、蒸れにくいです。
外耳に詰め込むタイプではないため、お子さん(誤飲しない程度の年齢)にも使えます。
一方で水泳等に使うことはできません。ワックスでできてはいますが、脱脂綿も付着しており、水の中で使えば問題が生じるでしょう。
また基本的には使い捨てです。脱脂綿は肌触りがいいですが、耳垢等も付着するため繰り返しでの着用は推奨されていません。
(個人的には一週間程使えるかなと思いますが、自己責任で使いましょう。長期の連続使用は避けましょう)